キーンコーンカーンコーン
授業を終え、帰りの支度をしていると祐樹が話しかけてくる。 どうやらゲーセンで遊んでから帰りたいらしい、俺は家でゲームしたいんだが、まあいいか付き合おう。 最近は勉強ばかりと聞くしたまには良いだろう。 音ゲーをしたり、格ゲーをしたりした後、夕飯をファストフード店で済まし、帰路についていた。 辺りは暗くなっていた。 祐樹「いやー今日は遊んだなあ」 俺「いや毎日遊んでるみたいなもんじゃないか?」 祐希「いや俺はこれでも大学入試に向けて猛勉強中なんだぜ」 俺「そんな奴がゲーセンで遊んでて良いのかよ...」 確かにコイツはこう見えて昔から頭が良く成績も良い。 今俺たちは高校2年生だが、コイツはすでに大学受験に向けて勉強している、親が片親で重病を患い入院しているというのもあるが、一番は医療系の大学に入って病気で困っている人々を助けたいのだそうだ。 聖人そのものである。 祐希「そういやカイトってなりたいものとか夢ってあるの?」 俺「うーん何がしたいかとか考えた事もないな、普通に働いて生きて生ければ良いかな。あと何かに負けたくないぐらいか、後はおばさんと瑠夏が元気で居てくれたら何でも良いかな」 祐希「そうかー、人の下で素直に働くって意思はあるんだな、負けず嫌いは相変わらずだなあ」 俺「お前はすごいよな、俺も勉強しとけばなあ」 何て他愛もない会話をしていた次の瞬間 ゴオオオオオオパリンッ と 空の割れるような音がした。祐希と顔にモヤのかかった少女がいる。 祐希は、笑顔でこちらを見つめている。 少女は、笑顔でこちらを見つめている。 俺は、悲しい気持ちになった。どちらも守れなかった。 ハッと、目が覚めた。見慣れない天井だ。 どうやら夢を見ていたらしい、涙を流していた。 昨日の事も全て夢であって欲しかった。 「8時か」 身支度をして、支給された制服に着替えて宿舎を出る。 今日は、対策本部と呼ばれているこの場所を案内して貰えるらしい。どうやら普通の生活には戻れないらしい。家族や学校には行方不明になったという事になっているらしい。 「死ぬまでここにいるのかもな...」 対策本部の外へ出るのは、戦闘時または特別な事情がある場合。それ以外は基本的に外出不可らしい。 ここでは衣食住に関しては困ることは無いらしいが アークロイドを全て一掃するまでは完全に出られる事もないのだろう。 後悔はしていないが、少し不安があった。 宿舎を出ると見覚えのある顔が見えた。 「おはよう、ユイさん」 「ユイで大丈夫、よろしくねカイト」 「じゃあ、ユイよろしく。」 カイトと呼ばれたのにはビックリしたが、それ以上に懐かしい感じがした。 その後、施設を回った。 大浴場 宿舎 学校 娯楽施設 ショップ と、説明を聞きながら回っていった。 すぐに昼になった。 ぐーと腹が鳴る。 食堂で、2人で昼食を食べていると、若い男女が話しかけてきた。いや片方はアンドロイドっぽいかな?いまだに見た目だけでは判別がつかない。 というのも、介護用ロボットなどは見たことがあるがそれとは違いあまりにも人間にしか見えないのだ。 「新入さんかな?よろしくね!私はミクっていいます!」 「俺は、岸浪ハルト!よろしくな!」 「俺は、神童灰人です。よろしくお願いします。」 「入ったばかりで不安な所ごめんね!なんでも聞いてね!」 「いえ、大丈夫です。何かあったらよろしくお願いします。」 「ユイ!いい人そうで良かったね!」 「うん、とてもいい人だよ」 ニッコリとユイが言うが、俺に良い人要素あるのか?まだ会って浅い気がするが。 それはそうと精一杯の受け答えをしたつもりだが、表情が暗かったか気を使わせてしまっただろう
「君が神童灰人君だね、まっていたよ」 なぜ俺の名前を知っているのだろう メガネをかけロングヘアーの30半ばほどの女性がそう問いかける。 「ユイご苦労だった。もう一人はこちらで保管している。残念ではあったがこちらの予測に不備があった為だ気にするな」 「助けられなかったのは私のせいごめんなさい」 ユイというのはこの少女の名前だろうか、聞き覚えがあるような気がする 前にも何処かで聞いたことがあるような 女性が、ユイと呼ばれた少女の頭を手で撫でながら 「自己紹介が遅れてすまない、私はアークロイド対策本部アビス司令の園崎蘭だ。ここはその司令室だ」 周りには、モニターを見つめている司令員が数名いる。 園崎という苗字に聞き覚えがあった。エボルブの社長もたしか園崎だった気がする。家系の一人なのだろう。 「何故俺の名前を知ってるんです?」 「アークロイドに襲われた人間は我々が管理するようになっていてね。その都合で人物の情報の照会が可能なんだよ」 「アークロイドって何なんですか?あいつらの目的は何なんです?それと彼女は人間なんですか?」 「その話を全て答えると長くなる、手短に言おう。人類の敵、地球外からの侵略者だ、彼女はそれと戦うアンドロイドだ。詳しくはまた後で話す」 敵か、《アンドロイド》聞いた事はあるが実物は見たことがない。CMとかでやっている介護用ロボットとかと同じなのか? 「まだ山ほど聞きたいという顔をしているな、まずはシャワーでも浴びて、服を着替えて来た方が良い」 そう言われ、シャワー室の場所を案内され、軽くシャワーを浴び渡された制服に着替え指令室に戻ると 「キレイになったね、では本題に入ろう」 「君には戦う意思がある?ハイかイイエで答えてね、ハイの場合は訓練を受け戦闘に参加して貰う、イイエの場合は記憶消去してまた平穏な生活に戻る。」 戦う?あんなバケモンと?冗談じゃない。 でもなぜか、いまさら祐希の言葉が頭をよぎる 《俺、困ってる人とか病気の人を助けいたいんだ!》 幼稚園の時からずっと一緒にいた。誰よりも俺を分かってくれていた。優しい奴だった。あいつは、俺より生きてる価値が何倍もあった人間だった。そんな意味のある奴が死んで何も意味を成さない俺が生きている意味があるのか、 《カイ
少女が駆け寄ってくる 少女?「大丈夫?」 俺「ああ、ありがとう助かった...でも祐希が」 血だらけの祐希の死体が見える、吐きそうになる。少女?「間に合わなかったごめんなさい...」俺「いや、良いんだ君が悪い訳じゃない、ところで君はなんなんだ人間じゃ無いのか?あのバケモノは?割れた空は?」 少女?「話すと長くなると思うから場所をかえましょう。服も汚れているし、友達の回収は本部に任せてあるわ」俺「ああ」本部って何だ?などと考える暇も無く今起こった事がフラッシュバックする。だけど場所を変えた方が良い事だけは分かった。何も考えられず、ついて来いというので家にも帰らずそのまま移動し、やがて有名な金属加工メーカー、エボルブのビル前に着いた。「何でエボルブ?」「ここの地下にアビスがあるの」裏門のような所から、エレベーターに乗ると一気に下方向に下降していくのが分かる。ボタンは1つしか無いのだが下降時間が長くとても規模が大きいと感じた。 ピンポーンと到着の音が鳴ると、そこには小さいもう一つの世界が広がっていた。少し古い建築技術の建物が見え、自然があり頭上にはここも夜なのか星が見える。どういう事なんだろうか。頭で考えるが思考が追いつかない。街灯のある 平原のような場所を少し歩くと、研究所のようなそれでいて学校のような建物にたどり着いた。正面玄関を抜けるとまたエレベーターがあった。 乗り込み最上階へのボタンを少女が押す。 扉が開いた
物凄い音がしたと同時に、ソラから何かが降りてくる。ヤバイと思ったのも一瞬、辺りが爆発音と煙に包まれた。ホコリと、火の匂いが混じり目を開けるのもやっとの状況の中一点を見つめる、祐希が何者かに首を絞められ苦しんでいる。 よく見るとソレは人間のような形をしていて、気味の悪い長い髪に見たことも無い光り輝く羽根が生えているマネキンのような化け物だった。 ナイフのような鋭い爪が光っている。鋭い牙が見え口が開いたかと思うと何か喋っているー食ワセロ まずいこのままだと祐希が殺される、いや食われる、何か無いかと道端に落ちていた大きい石を投げつける、がコンという音とともに簡単に弾かれる。逃げろ!カイト!と振り絞った声が聞こえる。 その瞬間、頭から上を覆いかぶさるように食われてしまった。 周囲に血飛沫が上がる。もはや何が起きているのか分からずその場から逃げ出す、だがすぐに化け物は背後をつく「なんなんだよお前はっ!」 振り返り、鋭い爪が繰り出される、終わったーそう思った瞬間だった。目の前に人影が現れた。 正確には目の前にヘッドホンをした髪の長い華奢な少女?が現れた。少女は、バリアで攻撃を防いでいるように見える。 「今すぐ逃げて」「長くは持たない」 そう言われとっさに逃げようとするが、足がすくみ動かない。運動不足?いや違う恐怖で動けないのだ。「抱えながら戦う、捕まって」と言われ渾身の力を振り絞りお腹辺りに捕まる。捕まった瞬間 違和感があった、人間のような柔らかい感触では無く硬く服の上からでも分かる金属のような質感に驚く。少女は猛スピードで、相手から距離を取る 振り回され、腕が解けそうになるが必死に耐えた。 バケモノは、羽から生えた銃のようなモノを乱射してくる。 俺はたまらず叫ぶ「なんでもありかよ!」 少女が何か呟いた「兵装解除アーティファクトxxxxxxxxxxx」後半が上手く聞き取れなかった その瞬間少女は振り返り弾丸を紫に光る剣のようなモノで全て弾き飛ばした。少しでも動いたら死ぬ気がした。 やがて俺を後方に投げ飛ばし、一瞬でバケモノの間合いに入り首を切る、バケモノは止まらず動き出すが胸の中心にある宝石のようなモノを剣で突くと動きは止まり動かなくなった。 俺は戦いが終わった後、しばらく動けなかった
キーンコーンカーンコーン 授業を終え、帰りの支度をしていると祐樹が話しかけてくる。 どうやらゲーセンで遊んでから帰りたいらしい、俺は家でゲームしたいんだが、まあいいか付き合おう。 最近は勉強ばかりと聞くしたまには良いだろう。 音ゲーをしたり、格ゲーをしたりした後、夕飯をファストフード店で済まし、帰路についていた。 辺りは暗くなっていた。 祐樹「いやー今日は遊んだなあ」 俺「いや毎日遊んでるみたいなもんじゃないか?」 祐希「いや俺はこれでも大学入試に向けて猛勉強中なんだぜ」 俺「そんな奴がゲーセンで遊んでて良いのかよ...」 確かにコイツはこう見えて昔から頭が良く成績も良い。 今俺たちは高校2年生だが、コイツはすでに大学受験に向けて勉強している、親が片親で重病を患い入院しているというのもあるが、一番は医療系の大学に入って病気で困っている人々を助けたいのだそうだ。 聖人そのものである。 祐希「そういやカイトってなりたいものとか夢ってあるの?」 俺「うーん何がしたいかとか考えた事もないな、普通に働いて生きて生ければ良いかな。あと何かに負けたくないぐらいか、後はおばさんと瑠夏が元気で居てくれたら何でも良いかな」 祐希「そうかー、人の下で素直に働くって意思はあるんだな、負けず嫌いは相変わらずだなあ」 俺「お前はすごいよな、俺も勉強しとけばなあ」 何て他愛もない会話をしていた次の瞬間 ゴオオオオオオパリンッ と 空の割れるような音がした。
22??年 世界は人類の絶滅を以って終わろうとしていた。 燃える都市と焦げ臭い煙の匂い、腹部を突き刺すどうしようもない激痛が走る中途切れるような視界に映るのは人のような姿をした機械的な少女、少女が何かを呟くのと同時に意識は途絶えた。 2268年 中央都市 スカイシエル 某所 目が覚める、身支度をして重たい足取りで向かうのは、いつもの風景、いつもの匂いが立ち込める見慣れた道を通って通う学校だ。 ここスカイシエルは登校中も高層ビルが立ち並び、俺たちにとっては見慣れた光景だが、ここ200年で地名も変わり建築技術はかなり発達、教科書などに載っている昔の姿は面影も無くなっているように見える。 空には、太陽の強すぎる放射熱を抑えるいわば温暖化対策用の太陽光カットシステム、アークバリアがある。 昔は東京という場所だったようだが歴史にも詳しく無く祖父母とも疎遠の為詳しくは知らない。 両親は小さい頃にどちらも事故で亡くなっている。 両親を失った俺を今の義母(おばさん)が引き取ってくれた。義母と義妹(琉夏)と俺の3人で暮らしている。 お兄ちゃーん学校遅れるよ〜と声が聞こえる。 そんなにギリギリか 自己紹介をしておくと俺(神童灰人(シンドウカイト))は、東京某所にある高校に通う学生だ。鏡で灰色のボサボサ髪に眠たそうな顔をみて不細工な顔だなあと思いつつ、 あ、髪は染めている訳では無く、持病の関係で色が抜けている。 あ俺の顔かと頭の中でツッコミを入れ、スマホをいじっている内に学校が見えてくる。 妹は1個下で同じ高校に通っている。 正門を通り下駄箱を抜けて、妹と別れ2階の教室に入る。 すると見覚えのある顔が話しかけてくる。 「よお、灰人今日も眠そうだな!また夜更かししてゲームか?」 一番の友人でありクラスメイトの祐希(ゆうき)だ。 俺は眠そうに答える 「負け続けてやめられなくなったんだよ、負けず嫌いなんでな」 祐希が答える 「完全型VRのFPSゲームだっけ、上手いもんなお前、でも負けず嫌いなのは知ってるけど寝不足は身体に悪いからきをつけろよ!」 「はいはい」と俺 「そういや全然話変わるけどさあ、今日の朝のニュースみた?」 「見てるわけ無いだろ、朝起きたの遅すぎて何も知らん」 祐希が話す 「そ